東海大学理学部 遠藤研究室
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2018/09/07 応用物理学会で太陽光励起ファイバーレーザー発表
Nd: YAGレーザーは,教科書にも載っている代表的な4準位レーザーだ.原理的に,レーザー下準位に原子は存在しないことになっている.しかし,我々が開発した太陽光励起ファイバーレーザーでは,波長1060nmを中心とした吸収スペクトルが観測されている.どうやら,これは熱分布したレーザー下準位からの誘導吸収らしい.
これを確認するため,自然放出スペクトルを計測,固体レーザーの誘導吸収断面積σaと誘導放出断面積σeの間に成り立つMcCamberの関係式を適用したところ,見事な一致を見た.Nd3+の4I11/2準位(レーザー下準位)からの誘導吸収は普通には計測できないので,これは世界初の成果である.
σaとσeが得られれば,任意の温度で利得スペクトルが容易に計算できる.結果,常温では1100nm,-30℃では1060nmでレーザー発振すること,閾値反転分布が冷却によって常温の1/2に低下することなどがわかった.
実際にファイバーを冷却し,吸収スペクトルが上図のようにベースの損失を残してほぼ消滅することを確認.レーザー発振スペクトルも1100nmから1060nmに変化した.これらの結果は,9/18から名古屋で開かれる応用物理学会で発表される.
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