関数電卓マニアの部屋
まえがき
このページを作ったのは2006年の6月のこと.当時,私のサイトに来る訪問客で最も多いのが「関数電卓セレクトガイド」のページにキーワード検索で来る人達だったため,いっそ,お客様の望むページを作ろうじゃないか!という意気込みで,手持ちの関数電卓と当時の各メーカーの最新機種をレビューするページを作ったのがはじまりだ.当時の目標は「関数電卓」のキーワードでGoogle検索トップ10入りだったがそれも達成された.
今では関数電卓の情報を求めて,毎日百人あまりの人がこのページを訪れるようになった.こうなると,なんだか只の「趣味のページ」では済まなくなるのではないか,と勝手に考えている.ページのスタンスは当初と変わらぬ「俺様のページ」だが,現在では色々なコンテンツを加え,「情報」という軸で好意的に評価されるよう心がけている.
書いてある情報に間違いが無いよう,ときどき手持ちの電卓で再確認して,国内大手メーカーの最新機種は常にフォローするようにしている.もちろん,自分が持っていない電卓については今後も一切語らないつもりだ.
世間が私を必要としなくなるまで,お小遣いの許す限り日本の関数電卓の進歩を追いかけて行きたいと思う.
ご意見,ご要望があれば是非メールを頂きたい.
関数電卓についての私の主張
- 「200関数」「回帰分析」「数値積分」などは不要
関数電卓にやらせるべき仕事は,せいぜい十ステップ以内の三角関数,べき,logなどの計算である.21世紀になり,パソコンがどこにでもあるこのご時世では,複素数,行列,統計,積分などはもっと適当な道具を使って行うべき. - 基本機能はできるだけ表側に.
√,x^2,1/xはあらゆる計算の中で最も頻繁に現れる.これらのキーが2nd functionに来ている電卓は基本設計に問題ありと言わざるを得まい.また,「数式通り」方式のラストアンサーキーも同様.例えば,標準方式の電卓で最後の計算の答のsinを取りたければ[sin]キー一つで済むが.数式通り方式で[ANS]が裏側にある機種では[sin][SHIFT][ANS][=]と4ストローク必要. - メモリの書き込み,呼び出しは使いやすく!
メモリへのデータ書き込み,呼び出しは専用キーを与えるべきである.[STO],[ANS]が裏にある電卓を私は評価しない.次に,「数式通り」タイプで[RCL]と[ALPHA]の機能が異なる機種も問題.単一メモリは[STO][RCL]キー,マルチメモリは[STO][A][RCL][A]の操作でさっさと利用できるユーザーインターフェースを望む.もちろん,マルチメモリ機は,キー表示の見やすさにも気を配って欲しい.メモリの使いやすさは,国産メーカーよりTIやHPなどの外国製の方がよく考えて作られている. - [F<->E]キーは必須機能
演算結果が,例えば99999999だったばあい,これが何桁だかを瞬時に判別することは難しい.こういう表示をC言語では"F形式"と言う.これをボタン一つでC言語で言うところの"E形式",すなわち9.9999999×10^7と表示を切り替えるキーがある.普通は[F->E]の刻印があるが,これが備わっている電卓と,備わっていない電卓がある.しかしこれは関数電卓の必須機能と思うのだが如何.
今日の主流である「数式通り入力」の関数電卓はとても使いやすく出来ており,初心者がマニュアル無しでもそこそこは使えてしまう.一方で,ベテランユーザーにとっては,不可欠の機能が届きにくいところにあったりと,新しい機種ほどマン=マシンインターフェースに改善の余地がある様に見受けられる.パソコンがこれだけ身近になった今,関数電卓に求められる機能とは何か,を再考する必要があるのではないだろうか.
凡例
ここには写真が入る.解像度は同じなので大きさの比較が出来る. | メーカー | 初出日,また補筆があったとき日付を記入 | |
型式 | |||
実売価格 | \x,xxx | 購入したときの実売価格.安売り電機店で買うとこの程度,と言う目安. | |
入力方式 | 標準電卓 数式通り RPN 自然表示 |
「標準電卓」とは,常に表示されている数値に対して関数が作用する,伝統的なタイプの操作方法.「数式通り」とは,メインの表示画面の他に数式表示のエリアがあり,関数も「=」キーを押すまで確定されないもの.「RPN」とは,HP電卓独自の逆ポーランド形式.「自然表示」とはCASIOが開発した,ドットマトリクス液晶と組み合わせたWYSIWYG入力・表示方式.それぞれの入力方式の特徴は関数電卓セレクトガイドを参照. | |
角度モード | ◎○△× | Deg,Rad,Grad切り替えの容易さ ◎[DRG]キー装備 ○[MODE][DRG] △3キー操作 ×4キー以上の操作 |
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[F<->E]キー | ◎○△× | E形式への切り替えの有無,使いやすさ ◎[F<->E] F形式とE形式が相互に表示される ○[ENG] E形式の小数点位置が次々シフトする △上記機能に[SHIFT]キーが必要なもの ×キーがない |
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メモリSTO | ◎○△ | メモリへの値の代入の使いやすさ ◎[x->M]キー装備 ○[STO][A-Z] △上記機能に[SHIFT]キーが必要なもの |
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メモリRCL | ◎○△× | メモリへ代入した値の使いやすさ ◎[MR]キー装備 ○[RCL][A-Z] △[RCL][A-Z]だがCASIO方式のもの ×上記機能に[SHIFT]キーが必要なもの |
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√キー独立 | ○× | これら,よく使う関数のキーは独立していることが望ましい. | |
x^2キー独立 | ○× | ||
1/xキー独立 | ○× | ||
BSキー | ○× | 1文字戻る機能の有無. | |
寸評 | 辛口批評. |
更新履歴
2017/01/15 サイト全面更新にともないリニューアル.モダンスタイルで書き直した.
2017/09/25 ES Calculatorリリースにつき,情報更新.
2023/05/22 HP 25受領をきっかけに,久しぶりにメンテナンス.古い情報を整理.
2023/09/30 CASIO fx-JP500CWを追加.現行でないモデルをCollectionに移動.