東海大学理学部 遠藤研究室
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2023/01/11 World's Top 2% Scientistsに選出される
物理の佐々木先生から,「Stanford大学の研究チームが毎年公表している"World Top 2% Scientists"のリストに私が載っている」と教えてもらった.このランキングは,「影響力のある科学者とは何か」という問いに科学者の立場から答を出したもので,その答は,端的に言えば「生涯にわたって発表してきた論文が他の研究にどのような影響を与えたか」とする.
とはいえ,「では影響とは何か?」という新しい疑問にぶつかるわけで,研究者(Stanford大学のヨアニディス教授のチームは,論文の「引用」をその指標とした.ただし,単純に引用数が多い論文が良いわけでなく,例えば,「良い」論文に引用されるとスコアが上がり,貢献が無いのに著者に名を連ねたり,(同じ所属などの)仲間が互いの論文を不必要に引用するとスコアが下がるといった,とても複雑な数式を用いている[1,
2].私は,科学者として「偉い」とか「有名」になりたいと思ったことはないが,このような客観的かつ科学的な指標で選ばれたことは,報われたような気がして素直に嬉しい.
[1]
Ioannidis, J. P. A. et al., "A standardized citation metrics author database
annotated for scientific field", Public Library of Science (PLoS) library
17(8), (2019).
[2]
Ioannidis, J. P. A. et al., "Multiple Citation Indicators and Their
Composite across Scientific Disciplines", Public Library of Science (PLoS)
library 14(7), (2016).
では,「World's Top 2%」とはどれくらい凄いのか.対象となるのは,過去に5編以上の論文を発表したことがある約700万人の科学者[2].その2%は14万人だが,ランクインするのは,「全分野をまたいで影響力が大きい10万人」と,「各分野ごとの上位2%」,合わせて20万人である.参考までに,日本人は7,630人いて,東海大学には私を含め12人いる.そう書いてしまうと有難味が失せるが,東海大だけでも1,600人以上の教員がいるので,考えようによってはやはり凄いのだろう.
調べたところ,主にアジアの大学で,自らの学術的権威を誇示するための広報ネタとして広く使われているようだ.アジア人は欧米人の権威に弱い,というのもあるし,あちらでは,こういったことは自慢しないという文化の違いもあるのだろう.わが物理学科も,広報担当の佐々木先生がさっそくニュース記事にしてくれている.理学部物理学科はTwitterのアカウントも持っているのでぜひフォローしてほしい.
過去の「1枚の写真」
2022/06/13 XXIII High Power Laser Systems and Applications 国際会議参加
2021/12/10 Optics ExpressにDPALの研究成果が掲載される
2021/06/30 太陽光励起レーザーがAdvanced Optical Materialsの表紙を飾る
2021/06/18 関数電卓の取材を受ける
2021/05/07 軸対称偏光レーザーによる加工試験
2020/10/28 Optics ExpressにDPALの研究成果が掲載される
2020/08/10 太陽光励起レーザーの成果が東海大ホームページに掲載
2020/03/27 非集光太陽光励起レーザー
2019/09/29 偏光コンバーターとOptical Cage System
2019/03/02 Optics LettersにDPALの研究成果が掲載される
2018/09/27 大学生・エンジニアのための関数電卓活用ガイド