電磁気学特論(SPM)
2010年 | 2011年 | 2012年 |
レポート課題1 出題 05/26 〆切 06/09
平塚に住む我々にとって,東京のTV局の電波はギリギリ届くか,届かないかというところで悩ましい.そこで,東京タワーから出た電波が平塚でどの程度の電場になるか計算してみよう.
- 電磁波が半球状の体積に等方的に放射されると仮定した場合.
- 東京タワーが地面に垂直な双極子と仮定した場合.
- 東京タワーから出る電波を,1局あたり10kWと仮定せよ.
- 東京と平塚の距離を50kmと仮定せよ.
- 1の仮定の場合,半径50kmの半球でエネルギー保存則を考える.
- 2の仮定の場合,半径50kmの全球でエネルギー保存則を考える(地面の存在は無視).
- ダイポールの放射分布は式(1.113)を見よ.但しこの式を正直に使うのはあまり得策ではない.
- 電磁波の電場E0とパワーの関係は式(1.53)の通り.
- 表紙は不要で,トップにタイトルと氏名,学籍番号を記入する.
実際には10mV/mあればTVはクリアに受信できるらしい.
講評:今年はちょっと手抜きで捻りのない出題だった.Q1はとエネルギー保存則を考えるだけで解ける.まず,半径50kmの半球殻面状のパワー密度は
で,電場は
と算出できる.なるほど,受信できないこともないという強度だ.続いてQ2だが,ダイポール真横,距離rにおける電場の大きさをE0とすれば角度θの関数で電場はと書ける.パワーを全球面で積分すると
となり,これが10kWになるわけだから,ここから
を得る.ダイポールの放射電場は真横が一番強いわけだから均一と仮定したときより強いはずだが,積分がQ1では半球としたのに対して全球で計算したのでパワーは半分.差し引きでだいたい同じ大きさになった.
レポート課題2 出題 07/07 〆切 07/21
Google Scholarで,過去3年の「左手系物質」というキーワードで論文検索をする.検索の方法は知らなくても以下のリンクで見ることが出来る.
"left-handed mateiral: from 2009 to current issue"
論文を一つ選び,A4のレポート用紙1枚に日本語でまとめよ.このとき,論文から内容を最も端的に表す図を1枚コピーしてレポートに添付すること.なお,多くの論文は東海大学のサイト契約を通じてしか読むことが出来ない.大学のコンピューターを使用して検索すること.