電磁場(SP)
2003年 | 2004年 | 2005年 |
レポート課題1 出題 10/08
優秀レポート
優秀レポート
レポート課題2 出題 10/22
寸評:同じ資料から書き写したと思われるものが多かった.もちろん,反則ではないが,「優秀レポート」を狙うなら人と違うレポートを出すべし.
優秀レポート (1) (2)
正直にPoissonの方程式の一般解を積分したもの.これは相当大変だ.興味深いので掲載.
(1) (2)
レポート課題3 出題 11/19
- この同軸導体をコンデンサーとしたときの,1mあたりの容量を計算しなさい.
- 内,外導体にそれぞれ1mあたり[C]の電荷を与えたとき,電気力線は (2)の様であった.このとき,外側導体の外には電場が存在しないが,そ の理由を説明しなさい.
- (3)のように,内側導体(半径)から半径の範囲に,比誘電率の誘電体を巻き付 けた後,内,外導体にそれぞれ1mあたり[C]の電荷を与えた.このときの電気力線の様子を(2)に倣って書きなさい.もちろん, 本数にも注意すること.
- (3)の,1mあたりの容量を求めなさい(難).
講評:
- 問2をきちんと説明できていた人は極少数.大まかに意味があってい るものは正解とした.
- 「外側導体の電位は0」というのは結果としてそうである ことがわかるもので,前提条件として成り立つものではない.
- 前提なしに「ガウス面内の正味電荷が0なので面を通過する電場が無い」という答えがあったが これは間違い.これは電場が放射状の場合のみ成り立つ.
- 「静電遮蔽により外側には電場が存在しない」という解答があった.これには一本取 られた.
- 問3はこう考えて欲しかった.「系の対称性より,電気力線は 方向. かつ,電束のGaussの法則より電束密度は誘電体があろうと無かろうと変わらない. あとは,電場の強さは で求められる.電気力線は 問題図を参考に,電場の強さに比例した本数を描けばよい.」
レポート課題4 出題 12/10
- 導線1[m]あたりの自由に動ける電荷量を求めなさい.
- 導線に均一な密度で1[A]の電流が流れているとする.このとき,自由電子 の平均の移動速度(ドリフト速度)を求めなさい.
- (2)で求めた速度で電子が動いているとき,観測されるローレンツ収縮の 度合い を求めなさい.ここで,教科書 p65の近似を使うこと.電卓では絶対に無理.
- 直径1[mm]で [C/m]の密度の無限長直線電荷から 1[m]の位置にある,1[C]の電荷が受ける力を計算せよ.
- 1[m]離れた二本の無限長直線電流が及ぼしあう力は,上の議論からおよそ 1[m]あたり となることがわかる.この 大きさを求めなさい.
- 実際に,1[m]離れた1[A]の無限長直線電流が及ぼし合う力は1[m]あたりどれ ほどか.アンペールの法則から求めよ(これが1Aの定義となっている).
※5と6の結果は正確には一致しないが,本来なら考えなければいけない効果(電 子の相対速度や正電荷密度など)を考慮していないためである.
優秀レポート
(1)
(2)
(3) (4)
(5) (6) (7)
(8)
久しぶりに,良いレポートが出た.
講評:
- 驚いたことに,円柱の体積がであることが解っていない解答 が多数あった.問1が不正解の人は中学校の教科書を読み直そう.
- 桁数の大きなかけ算の間違いが多数.電卓でを直接入力せず,手で数えるからそうなる.電卓の使い方を解説したページがあるので読むこと.
- 問題が,ある意図に基づいて作られているのに気がつかなかった人がけっこういた.5と6の答えが数桁違っても何も感じないのか?
- 逆に,「優秀レポート」で紹介したものや,A以上の成績がついたレポートは,出題の意図を正確に理解していた.まあ一安心.
レポート課題5 出題 12/24
図は,真空中に置かれた平行平板コンデンサーと,そこに電荷を供給する導線を示し ている.コンデンサーの電場は一様で極板に垂直,端の効果は考えないとしよ う.導線部分には電場は無いものと考えて良い.極板面積は,極板間距離は とする.※1/15修正.森永くんありがとう.
- 導線から極板に毎秒[C]の電荷が流れ込むとする.このとき,閉曲面に流 れ込む真の(電荷の移動に基づく)電流はどれほどか.
- =0で極板に電荷が溜まっていたとする.このとき,極板の面電荷密 度[C/m]を時間の関数で表しなさい.
- 2の答えから を計算せよ.
- 電束密度は極板に垂直なので,3の答えに極板面積を掛ければ閉曲面から 出てゆく電束電流 を得る. ここから,広義の電流保存則が成り立っていることを示しなさい.
講評:
- 今回は全問正解の解答が多かったので満足.
- 「全問正解」と「優秀レポート」を分ける分水嶺は,まず一つは説明が丁寧であるかどうか.ただ正答を書いただけのレポートは評価が低い.
- 続いて,「余計なことが書いていないかどうか」も採点の際には考慮した. たとえば,電荷から出る全電束がに等しいことはもうみんな知っているはずだから, で電束密度を求める必要はない.あと,最後に を一般の場合で証明する必要は全くない.
ここを見ている人だけにお得情報.第3回レポートと同じ問題が期末試験で出ます.