絶版コレクション

Canon F-502G

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メーカー Canon 09/07/27初出
型式 F-502G  
実売価格 \980 平塚ケーズデンキ
入力方式 標準電卓  
角度モード [DRG]
[F<->E]キー [F<->S] or [ENG]
メモリSTO [x->M]
メモリRCL [MR]
√キー独立    
x^2キー独立   
1/xキー独立 ×   
BSキー   
2009年1月に販売開始,F-502の後継機.とはいっても,メーカーホームページには旧機種も健在である.Canonは何故か3世代にもわたる製品が全てカタログ上では現行機種である.ここは,旧機種との比較を中心に論じてみよう.

はじめにデザインから.先代と打って変わり,丸みを帯びたデザインはCanonの第3世代に共通のものだ.右上のエコマークは,この機種が廃トナーカートリッジを材料に作られている証である.

先代で不評だったスライド蓋の立て付けの悪さは見事に解消している.というか,下の写真を見よ.まさか,このサイトを見てCanon設計陣が反省したわけでもあるまいが.とにかく,開け閉めに関しては現代最高レベルに達した.


もうひとつ,特筆すべきは指数表示部が独立したことだろう.ライバルのSHARP EL-501E,先代F-502はどちらも仮数表示の一部が指数表示に使われるタイプだったが本機は専用の表示エリアが与えられた.仮数表示も一回り大きくなって,この点ではライバルに大きく水を空けたと言って良い.

ユーザーインターフェースにも大きな変化があった.キー配置は今まではEL-501Eと似たパターンだったが,Canonの文法に準拠したものに変わった.たとえば[EXP],[+/-],[π]の位置に注目して頂こう.三角関数や対数などの配置も旧モデルに比べ合理的.操作の基本は「標準電卓」のお手本であるEL-501Eとほぼ同じなので使いやすいことこの上ない.特に,私はn進変換の入力はSHARP方式の方が断然優れていると思っているので,「n進変換器」として本機を購入するのもありだろう.

右下の[M+]キーは相変わらずだ.ここまで引っ張るともうこれは哲学.これを必要としている人のために是非続けて下さい.

機能的には旧機種から増えたものは無いようだ.ただし,時刻入力方式が変わった.今までは「1時間30分」は[1] [.] [2] [3] [4] [5] [→゚ ' '']と打ち込む「標準電卓」方式だったのだが,本機種は[1] [゚ ' ''] [2] [3] [゚ ' ''] [4] [5] [゚ ' '']と打ち込む「CASIO fx-991s」方式に変わった.両方式の詳しい説明はこちら.置数結果表示が自動的に小数に変換されてしまうのが難点だが,入力方式としてはこちらの方がわかりやすく,歓迎するべき変更だ.

細かい点だが,[F<->S]と[ENG]が独立したのも気配り.ただ,[F<->S]キーがあれば[ENG]を使う機会はそれほど多くないのでは?

というわけで,旧機種に比べいろいろと改善された本機,EL-501Eに強力なライバルが現れたと言って良いだろう.