絶版コレクション
Canon F-718S
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メーカー | Canon | 10/06/08初出 10/06/10修正 |
型式 | F-718SA-RD | 白(SA-WH),緑(SG-GR)もある | |
実売価格 | \1,980 | ヨドバシカメラ秋葉原店 | |
入力方式 | 自然表示 | ||
角度モード | △ | [SHIFT][SETUP][数値] | |
[F<->E]キー | ○ | [ENG] | |
メモリSTO | △ | [SHIFT][STO][A-D, M, X,Y,数字] | |
メモリRCL | △ | [RCL][A-D, M, X,Y,数字](CASIO方式) | |
√キー独立 | ○ | ||
x^2キー独立 | ○ | ||
1/xキー独立 | ○ | ||
BSキー | ○ | ||
いよいよCanonから登場した「Natural Display」タイプの電卓.レビューを心待ちにしていた諸兄も多いのではないか? 当然ライバルはCASIOのfx-913ESだ.ただし 値段はこちらの方が約2/3なので,その点を割引して読んで欲しい.はじめに大き さ,質感だがどちらもfx-913ESの方が上.ライバルが異種樹脂を使いアクセント を出しているのに対し,こちらは単一の型で抜き出した平板なデザインだ.プラ スチックの質感も良くない.四角い筐体は「レトロモダン」を狙ったとも見える が,ゲート跡の処理法を見るとコストダウンの結果だろう.この辺はむしろ旧モデルのF-715Sが良かっただけに残念.大きさは,fx-913ESよりキーが1段多いせいもあって1cmほど背が高い※1.ぱっと見た感じかなり大柄な印象を与える.左の写真を見て貰うとわかるが,表に出ている理由がわからないボタンがいくつもあるので,この仕様変更は疑問.むしろキーを1段減らし,高さを抑えた方が得策では無かったか. ソフトウェアには明らかにCASIOの「Natural Display」機の派生品.それは,機能の並び方が共通だったり,CASIOの「Natural Display」電卓で伝統的に問題点として指摘されている点が受け継がれていることからも間違いないだろう.これは,過去のモデルを見れば驚くには当たらない(残念ではあるが). さて,ユーザーインターフェースを見ていこう.fx-913ESで指摘した,キーに対するレスポンスが鈍いと言う問題はほぼ完全に解消している.複雑な連分数に指数を含む数を入れてみたが,キーを取りこぼすことは全くなかった. キー配置は,F-715Sとの互換を保ちつつ「Natural Display」の文法に従ったため中途半端なことになっている.滅多に使われないと思われる[Q...r]と[LCM]を表に残したのは良いとしよう.しかし,だったら絶対必要な[ , ]キーを裏に回すのは許されない.キーが増えたことにより[x-1],[x3]が表に回ったが,代わりに[STO]と[Data]が裏に回った.今回の変更でF-715Sのセールスポイントだった,「独立したメモリSTO,RCLキー」を失ったことは大きな損失だ.まとめると, 増えたキー:[x-1] [x3] [logab] [Abs] [F-D] 減ったキー:[ , ] [STO] [Data] CASIOの「Natural Display」機を使っている学生が必ず不平をこぼすのが,解をとにかく分数にしたがる仕様だ.もしかして本機はこれが改善されているかと思ったが全く同じ. あと,本機はF-715Sの後継,入門機と位置づけられているらしく,fx-913ESには備わっている
Canon伝統の多メモリは本機でも健在.F-715Sと同じ17のメモリが使用可能だ. 最後に,この電卓のウリである「内部18桁精度」について.「Voidware.com」という有名なサイトに「Calculator Torture Test」という電卓の精度の限界を試すコーナーがある.三角関数の精度を知るには「tan(355/226)」と言う計算をやると良いのだそうだ.Voidwareの調査によると,国産の関数電卓でこの計算が精度いっぱいまで正しいものは存在しなかったが,F-718Sがその一番乗りの栄冠を勝ち取った. ※1 キーボードの高さはF-715Sと同一.なぜこんなに背が高いのか理由は謎. |