絶版コレクション

HP 10s

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メーカー Hewlett-Packard 07/11/11初出
09/01/09修正
型式 10s  
実売価格 \990 July.co.jp通販
入力方式 数式通り  
角度モード [MODE][MODE][数値]
[F<->E]キー [ENG]
メモリSTO [SHIFT][STO][A-F, M, X,Y]
メモリRCL [RCL][A-F, M, X,Y](CASIO方式)
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立  
BSキー  
HPの世界戦略モデル.これを知るきっかけは,ある方からの投書で「今後HP 10sを評価する予定はありますか」というリクエストだった.現行の,容易に手に入る電卓以外にはあまり興味は無いのだが,通販サイトを見てその値段にびっくり!パチモンのBLT fx-350TLを除けば現行の「数式通り」電卓最安値である.

あのHPがブランドを背負っているのだから,値段通りの実力ではないだろう,と思い購入.テストしてみた.

主観だが,丸みを帯びたデザインは国産モデルより少し安っぽく見えるかな?一方,キーのクリック感はHPらしく国産モデルよりしっかりしている.左の写真はスキャナで取り込んだものだが,LCDが非常に見えにくいのはスキャナとの相性が悪いだけで肉眼では全く問題ない.

さて,肝心の機能の方だが,この電卓,良いところも悪いところも全てCASIO fx-991MS(350MS)にそっくり.まず間違いなくソフトウェアには共通点がある.列挙すると,
ついでに言うと,数式の履歴は国産モデルと同様,電源offで綺麗に消えて無くなる.従って,総合評価としてはfx-350MSといっしょ.「数式どおりモデルとしてはお勧めだが,Canon F-715Sには一歩譲る」となる.「HPらしい電卓」を期待した諸兄には残念だが,この電卓はHPの皮をかぶったCASIO fx-350MSだ.

あっそうそう.それからもうひとつ.裏側のゴム足はやめた方がいいなあ.取れるから.この辺はHPさんも経験が浅い.電卓はヘビーデューティーでなければ.

しかし何でHPはこのモデルを日本で販売しないのだろうか. マニュアルの表紙 を見て驚いたが,多国語対応にもかかわらず日本語版がない!はじめから日本以外の国でのマーケットシェアを日本メーカーから奪うことのみを考えて作られたモデルのようだ.でも,日本で勝てないモデルが世界で勝てるかな?

最後に,このモデルならではの特徴を挙げると,
  • 国産の\2,000クラスのモデルと同等の機能で半額
  • にもかかわらず,世界企業Hewlett-Packard謹製だ
  • 入手経路が限られること,日本語のマニュアルがないことが敬遠されるため誰も持っていない
どうだい,「HP」のロゴが燦然と輝くこのレアな電卓をさっと取り出すと,隣の席の女の子が声をかけてくるかもよ?コイツを,2007年11月現在の「ちょいモテ電卓」に認定しよう.