絶版コレクション
LIBERTY LB-522-K
メーカー | LIBERTY (台湾のメーカー) |
15/05/22初出 | |
型式 | LB-522-K |   | |
実売価格 | 不明 | ||
入力方式 | 数式通り | ||
角度モード | △ | [MODE][MODE][数値] | |
[F<->E]キー | ○ | [ENG] | |
メモリSTO | ○ | [STO][A-F, M, X,Y] | |
メモリRCL | △ | [RCL][A-F, M, X,Y](CASIO方式) | |
√キー独立 | ○ | ||
x^2キー独立 | ○ | ||
1/xキー独立 | ○ | ||
BSキー | ○ | ||
この電卓は,台湾在住のエンジニア,H氏から寄贈されたものだ.入手の経緯については別記事に記した. 本機は台湾メーカーのれっきとした現行モデルなのだが,設計思想的にはちょうどCASIO fx-350TLあたりの世代.「数式通り」入力だが,矢印キーが横方向にしか無い.キーアサインは fx-350TL,あるいはそのコピー品と思われるBLT fx-350TLと同じだ.したがって,fx-350の評価で触れたように,後の世代の関数電卓より却って使いやすい.日常業務で使うほとんどの関数が表にある.角度モードの評価△は複数キーを押す必要があるからだが,私なら[OFF]キーを潰して角度モードに割り当てる.メモリRCLはSHARPに比べ使い勝手で劣るCASIO方式(コラム参照).キータッチは,現代の関数電卓に比べると若干固い.キートップが僅かにグラグラするように感じられるのは,メンブレンスイッチの技術が洗練されていないからか. では,このモデルは単なるCASIO fx-350TLのコピーかというとそうではない.H氏が私に連絡をくれたのは,まさにその理由からだ.H氏は関数電卓マニアで,私の記事はよく読んでいるという.日本語が達者というわけではなく,翻訳ソフトを使っているのだそうだ.そこまでして,このページを読んでくれている方が外国にいると思うと目頭が熱くなる. H氏によれば,この電卓はCanonの最近のモデル同様,内部18桁の精度で計算を行っているらしいとのこと. tan(355/226)を計算させたところ,-7497258.165 となった.これは,正解の-7497258.185とは異なる.残念ながら,内部16桁精度ではないことが明らかになったが,tan(355/226)でこの答を返す関数電卓を私は知らない.有名なvoidware.comの「round #1: accuracy of tan(355/226)」でも見当たらない.親戚筋がないとても珍しい関数電卓であることが判明した.ちなみに,上述2機種で同じ計算をさせると以下のとおりで, BLT fx-350TL -7497938.067 CASIO fx-350TL -7497094.876 正解は上位4桁のみ. レビューのためにしばらく使っていたらすっかり気に入ってしまった.せっかくの戴き物なので,しまい込むよりは日常的に使い込もうと思い,今も机の上に置いてある. |