関数電卓マニアの部屋

SHARP EL-509T

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メーカー SHARP 16/12/01初出
型式 EL-509T  
実売価格 \2,130 ヨドバシカメラ新宿店
入力方式 W-View(数式自然表示)  
角度モード [SETUP][0][数値]
[F<->E]キー [ENG]
メモリSTO [STO][A-F, M,X,Y]
メモリRCL [RCL][A-F, M,X,Y](SHARP方式)
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立 ×  
BSキー  
EL-509Mの後継機種と位置づけられる.機能はとうとう559まで増えた.CASIOの関数電卓にも言えることだが,こういうインチキな数え方はそろそろ止めた方が良いのではないだろうか.

最大の特徴は,メニューコマンドが日本語表記となったこと.左の写真は見にくいが,これはSHARPの関数電卓をスキャナで撮影すると必ず起こる現象.実際は,下のように綺麗に表示される.
              

CASIO fx-JPシリーズの登場により,対抗策を取ったと言うところなのだろう.しかし,液晶表示に掛ける金がなかったのか,ドットピッチが旧モデルと同じ.したがって漢字が大きい.ライバル機と比べて見劣りすることは否めない.

一方で,機能的には旧モデルに比べていくつか特筆すべき向上がある.第一に,SHARPの「数式通り」タイプ関数電卓ではじめて[ENG]機能が装備された.講義では,大きな数や小さな数をよく扱うが,8桁くらいになると数えにくく,[ENG]キーが便利であることを教えている.SHARPの関数電卓には3桁ごとの位取り記号が表示されるが,それでも,便利な機能であることには変わらない.歓迎したい.もう一つの大きな変更は,[√]キーが表に出たことだ.これも,関数電卓を普段から使っていれば当然の要求で,ようやくこれでSHARPの関数電卓もまともに使えるようになったという感想.ただし,もう一つ,CASIO,Canonではイコールキーの隣りにある[Ans]キーは未だに裏関数だ.改善を求めたい.

では,CASIO fx-JP500と比べどちらが「買い」か.SHARP,CASIOの旧機種からの買い替えなら,迷わず同じメーカーを選んだほうが良い.キーアサインの違いは思いの外大きい.純粋に機能で比べれば,以下の違いがある.

EL-509Tが優れる点
  • カスタマイズ可能なファンクションキー
  • 電源を切っても,直前の状態を記憶する
  • メモリの保存,呼び出しがやりやすい
EL-509Tが劣る点
  • 大きく,重い
  • [Ans]キーが裏にある
はじめての関数電卓なら,実際に触ってみてから決めるのが良いだろう.その際,以下の様な計算をやってみることをお勧めする.
  • 半径1.5×10-2 mの円の面積を求める([π],[x2]キーを使う).
  • 答えは,何μm2か?([ENG]機能)
  • 上述の解をメモリAに入れ,3乗したり,対数を求めたりしてみる([STO],[RCL]機能).
  • sin1.5をdegとradで求める.そしてその逆関数を答えから直ちに計算する([Ans]機能,角度モード切替).