関数電卓マニアの部屋

CASIO fx-375ES

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メーカー CASIO 12/12/17初出
型式 fx-375ES  
実売価格 \1,980 新宿ヨドバシカメラ
入力方式 自然表示  
角度モード [SHIFT][SETUP][数値]
[F<->E]キー [ENG]
メモリSTO [SHIFT][STO][A-F, M, X,Y]
メモリRCL [RCL][A-F, M, X,Y](CASIO方式)
√キー独立  
x^2キー独立  
1/xキー独立  
BSキー  
CASIOの「数学自然表示」モデルが4年ぶりにモデルチェンジ.今回のモデルチェンジで,乾電池動作のモデルは消滅※1.モデル名の375/915/995がそのまま機能の差異を表すようになった.

しかし,ベーシックモデルを謳う本機の機能は旧913と同等で,更に科学定数が加わっている.これで\1,980円はバーゲンである.

外装は旧機種と全く同じで,変更は中身のソフトウェアだけと思われる.ただし,左図の数値積分を実行させてみたところ,fx-913ESが27秒だったのに対して25秒と若干の時間短縮が見られた.LSIが世代交代したと推測される.

内部精度などの基本性能は変わっていないようだ.tan(355/226)の計算結果は

fx-913ES   -7497258.44
fx-375ES   -7497258.44

と変化なし.

さて,本機の最大の特徴は,「自然表示」モデルではじめて解表示に小数が選べるようになったことだ.この機能を,私を含め多くの関数電卓ユーザーが求め続けて何年が経っただろうか.ようやく,メーカーが重い腰を上げた.

設定は,[SETUP]の「Math IO」の下にサブメニュ ーが有り,表示を「Math O」とするか,「Line O」とするかが選べる.つまり,入力と表示の「Math IO」か「Line IO」かの選択が独立になったということだ※2.表示を「Line O」モードにすれば従来のように分数・根号を保ったまま表示され,「Line O」を選べばあらゆる計算結果が小数で表示される.

この機能が無いために,私は「自然表示」モデルを仕事で使う関数電卓としてお勧めすることを躊躇していたのだが,いまや障害は取り除かれた.上記のように価格も戦略的で,同時に発売されたライバル機,Canon F-789SGに比べ1,000円も安い.2012年12月現在,疑いなく本機がベスト・バイである.

CASIOの第三世代「自然表示」モデルの詳細なレビューは別記事としたので参照されたい.

※余計なことだが,蓋には旧型と同様,乾電池を納めるための窪みがある.わざわざ,新しい金型を起こさなかったのだろう.

※入力が「Line IO」のときは「Math O」表示は選択できない.